生物の“記憶”はRNAの移植で受け継ぐことができる

刺激を受けた際にダメージを抑える行動を訓練されたアメフラシのRNAを他の訓練されていないアメフラシに移植すると、“訓練で獲得された反応”(≒記憶)も受け継がれることが確認された。
獲得形質の遺伝にもRNAが関わっていると見られ(260538)、生物は外圧への適応速度を高めるためにDNA変異によらない継承機構を確立していると考えられる。

◇生物の記憶は、RNAを移植すれば「移し替え」できる──アメフラシを用いた実験で明らかに
<WIRED>より
////////↓↓転載開始↓↓////////
~前略~

デイヴィッド・グランツマン率いるUCLAの生物学者グループは、何匹かのアメフラシにある特殊な訓練を課した。20秒ごとに1回ずつ、計5回の軽い電気ショックをしっぽに与えたのだ。これは24時間後に再び繰り返された。

訓練の目的は、この動物の防衛的収縮の反射を向上させることだった。防衛的収縮とは、攻撃を受けた際にダメージを抑えるために行われる本能的な反応である。

そして実際、再びこの動物を刺激することによって、研究者たちはアメフラシが“敏感”になったことに気づいた。防衛的収縮が、平均50秒持続したのである。一方、訓練を受けなかったグループの収縮が持続したのは約1秒間だった。
にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ 続きを読む

生命・細胞・血球の起源④-1

( リンク )より引用
------------------------
   第1編 細胞と生物学

【9】細菌の起源

 ① 原生物界と前生物界

 ミンチンは植物界と動物界との共同祖先を、ヘッケルにならって原生物界とし、これにバクテリアや単細胞藻類、菌類、原生動物を含めています。動物と植物とを究極的にまた明確に区別することは困難ですからこの分類は意義あるものといえます。ミドリムシ、粘菌類のような植物鞭毛虫類は植物と動物の両方に分類されており、これらを総括して原生界に含ませるのも妙案といえます。

 もともとが葉緑素の有無、栄養摂取の方法によって植物と動物に区別しようとすることは実際として不可能なことは、あとで述べます淡水海綿のように、組織の大部分が葉緑素からなるクロレラから構成されていることからも分かります。

 だいたいが連続的である自然や生物を分類して考えることは、人為的な無理が生じてしまいます。 そこで千島喜久男は定型的な細胞構造をもっていない、バクテリアや菌類、単細胞藻類などを一括して動物界、植物界に対する一つの界として原生物界とするヘッケルの提案に賛同しています。そして、もし必要とすればバクテリア界の下次段階として前生物界を設け、リケッチアやウイルスをこれに含めるのも一方法ではないかと提案しています。
にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ 続きを読む

生命・細胞・血球の起源③-3

( リンク )続き

【8】初期細胞新生説時代

 ①ウオルフの細胞新生説

 17世紀にフックが細胞を発見した当時には、まだ細胞の起源について誰も知る人間はいませんでした。細胞形成に関し最初に考えを述べたのはウオルフ氏体の発見者として有名なウオルフだと云われています。彼は1759年にその著で『凡ての器官は最初、透明、粘着性、無構造の液体であるがその内部に空胞が現れ、それが栄養物質を堆積して成長し、遂に細胞となる』と述べています。

 このような現象は千島喜久男の観察、即ち赤芽球から出芽様形態で無核赤血球が形成される過程とよく似ています。彼は細胞を独立実体であるとは考えず、細胞の形成は生活物質に含まれる形成力による受動的な結果だと考えました。ウオルフの細胞説の主要点は▼細胞は偶発的に発生する▼均質的な生活物質中に分化によって各種の部分が体制化される▼この体制化(有機的組織化)に際して細胞は能動的であるより受動的である、という3点に要約されています。このウオルフの説は1801年にマーベルによっても支持されています。

 ②スペンガルとキースの細胞新生説

にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ 続きを読む
ギャラリー