2012年09月

進化積層体再考

『実現論・前史イ』に触れられている以下の文章についての検証及び考察だと思います。

「従って、歴史的に形成されてきた存在は(=進化を重ねてきた存在は)、生物集団であれ人間集団であれ、全て始原実現体の上に次々と新実現体が積み重ねられた、進化積層体(or塗り重ね構造体)である。つまり万物は、それ以前に実現された無数の実現体によって構成されており、それらを状況に応じたその時々の可能性への収束によって統合している、多面的な外圧適応態である。」(実現論1_1_00

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科学と進化

 現状を突破する糸口、ということに「科学」という道具を使うとき、どのような注意点が必要か、と私は考えます。

 科学は「懐疑主義」と「実証主義」という方法論を用いることで、なるたけ個人の主観的要素を排除し、純粋に客観的事実を追求することに成功しました(これに対しては異論が予想されますが)。厳密さを求めるため、科学が対象にできるものはまだまだ限られています。(究極的には全ての現象を科学的に説明することなのでしょうが)

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進化積層体の意味

生物は、生態系の中で、他の様々な生物や物理的な環境との間に、自らを維持できる関係性を形成して存在しています。その種にとって、環境(生態系)の激変が起こったときに、次にどんな生態的な位置(ニッチ)において適応(自らを再構成して環境と新たな関係性を構築)するか、という問題が起こってきます。

その際、生物は、自らを再構築して新たな平衡状態に達しようと“あがく”。その結果が、生物の進化である。まずこれを確認したい(分子生物学的根拠は、まだ発見されていないことは知っています。しかし、これで矛盾する点がなければ一旦認めたい。矛盾する点があれば挙げていただきたい)。

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「生物学的還元主義」という批判に対して

実現論について、「モグラやサルなんか人間に関係あるのか?」という疑問を持つ方が多いようです。

「生物で当てはまることが全て人間に同じように当てはまる」というのが『生物学的還元主義』。
この「主義」とつくものは、たいていがイデオロギーなんですよね。

私も、“そのまま”当てはめるというのはおかしいと思います。

ヒトは高度に社会的生物なので、サルで有効な生物学上の話(例えば本能とか)も、社会環境からの影響が大きすぎるために当てはまらない。という主張がありますが、サルは高度に社会的な生物だと私は考えています。生まれてすぐ、群から離されたメスザル(ニホンザルの例ですが)は子育てもできないそうです。育っていくうちに、周囲から学んでいくんですね。

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ダーウィンの言う“道徳の起源”

ダーウィンの“進化論”は有名であるが、彼はその著「人間の由来」に於いて、道徳の起源について論じているので参考までに提示してみたい。

 「彼は、社会的な動物が有する共感や奉仕などを“社会的本能”と呼び、それが他の短絡的な欲求や本能と葛藤を起こすような事態を想定した。この葛藤では、多くの場合、一時的な衝動が勝り、人は他者を犠牲にして自分の欲求を満たすことになる。しかし、人のように知的能力が高く内省できる動物では、自分に都合のいい欲求が満足されたとしても、より永続的に作用する社会的本能は消えずに残り、そこに自責の念や後悔・恥といった道徳的感情が生まれる。そして、将来は過去とは違ったように行為することが促される。ダーウィンはこれを良心と呼んだ。」

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