2015年06月

”DNAの外”の遺伝情報発現・制御システム~RNAこそ統合者~②

以下、”活性型”RNAの具体例とその働きを記す。

①偽遺伝子転写RNA
偽遺伝子とは、タンパク質を作る遺伝子配列=エクソンのように見えるが、欠損等によってタンパク質を作れない配列を言う。(当然イントロンに該当する)
この偽遺伝子は、突然変異等によって壊れた遺伝子の残骸と考えられてきたが、最近の研究で、この偽遺伝子が(本物=タンパク質をコードする)遺伝子と同じ数が存在すること、そしてこの偽遺伝子から転写されて作られたRNA(偽遺伝子転写RNA)が、塩基配列の似ている(本物の)遺伝子の発現をコントロールしていることが解ってきた。

現在発見されている、偽遺伝子転写RNAの遺伝子発現コントロール現象には、(本物の)遺伝子のmRNAの変わりに分解される「犠牲分解」がある。
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ノンレム睡眠時に体内を調整している

ノンレム睡眠が哺乳類になって登場したのは何故なのでしょうか?
脳を休息させるため、という説が主流になっているようですが、もっと積極的な理由があるはずです。

成長ホルモンは体を成長させるだけではなく、体の組織で傷んでいるところを治すなどの新陳代謝に寄与していますが、この成長ホルモンはノンレム睡眠時に大量に分泌されます。

また、体がウィルスや細菌に感染すると熱が出て眠くなりますが、ノンレム睡眠の時間を長くして、その間に免疫機能を活性化させています。


このように、新陳代謝や免疫機能といった体内環境の維持に、ノンレム睡眠が深く関わっています。

外的環境に委ねるだけの爬虫類までと違い、自ら体内環境を作り出している哺乳類にとっては、体内環境を調整することがとりわけ重要になります。熟睡というある意味外敵に対して無防備になるリスクを負ってさえも、ノンレム睡眠を必要としたのはそのためだと思われます。


松尾茂実 

なぜ私たちは多細胞生物としての地位をもつことを当然とし、「単細胞生物のコロニー」という地位をもつことを当然としないのか

>これまでの歴史を振り返り、自然の摂理・人類の摂理を学んで、初めて現代のガタガタ現象に対する答えが出せるし、新しい規範も作っていける。
>「貧困の消滅」という生物史上初めての事態に直面している現代だからこそ、500万年にわたる人類の歴史を超えて、30数億年にわたる生物の歴史から、『自然の摂理』を学ぶ必要があるのだ。
~「生物史を勉強するのはなんで?」(171510)より~


 生物史・自然の摂理を勉強していくと、色んな事に気付いたり、ある事象を考えるきっかけになったりする。情報化の行き過ぎた現在社会において、ここまで本質に気付かされる事にも驚きであるが、それ以上に今生きている現実において、現象や事実に基づかないあらゆる「幻想」がはびこっているかに気付く。
 しかし、そういった事に気付く機会でもなければ、皆それが当たり前かのように平然と生きている…
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「群」の重要性

最近、家で飼育している熱帯魚水槽を見ていて気が付いたことがある。それは、水槽内にいる魚は「群れない」と言うことだ。

飼育している魚は、アマゾンの淡水に生息している小型魚で、自然の状態では常に群れた状態でいる。それが水槽の中では群れない。
しかし、水槽に人影が近づくと、急に群れて泳ぎだす。
このことから、生物は外敵のいない無圧力空間では「群れない」と言うことが解り、同時に「群れ」は外圧適応の為であることが解った。

この視点に立って、「群」を考察して見ると、2つの面白い点が見えてきた。

1.「群」は速い。
 なぜ外敵がいると群れるのか?数が多くいるから、少々食べられても群全体として問題ないとか、群れることで存在を大きく見せ、外敵に威嚇する等が考えられるが、その論理はどちらも整合性が低い。
群れていない単独の方が、外敵に見つかる恐れが低い場合も多いし、群れても外敵には襲われているので、必ずしも威嚇に繋がらない。(威嚇として成功している事例も多く存在する)
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ウィルス=大進化が生み出した生物の断片③

175509で展開したように、レトロポゾン、トランスポゾンがウィルスを生み出した可能性は非常に高いが、問題は何時、どのようなプロセスでウィルスが発生したのかと言う点である。
 
 ウィルスの誕生は、大進化時におけるレトロポゾンの増大と密接に結びついていると考えられる。
 
 175503で先述したように、生物はこれまで「真核生物の誕生」「多細胞生物の誕生」「脊椎動物の誕生」の3回、劇的な大進化を遂げている。この大進化の度にレトロポゾンが増大しており、更に「哺乳類の誕生」から「狭鼻猿類~霊長類」にかけて、レトロポゾンが爆発的に増大している。

 生物が何らかの逆境下において、大進化を遂げる為には、遺伝子を変異させる必要がある。しかし、単に遺伝子を組み替えただけでは、より複雑な躯体を生み出すことはできないので、ゲノムサイズそのものを拡大する必要が出てくる。
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