2017年04月

植物は花粉媒介生物の種類や能力を判断し次の世代に伝承している

植物は、移動しないため、他の生物に花粉の媒介を依存しますが、媒介者の種類によって、どの程度依存するかを判断しているようです。
たとえば、花粉媒介者がマルハナバチの場合とハナアブの場合では、媒介者への可能清秋速度が異なります。
子育てにも花粉や花蜜を用いるマルハナバチは、非常に多くの花を飛び回る有用な媒介者であるため、植物もマルハナバチが好む香りを発し、丈も高くなる方向に進化します。
一方、自らの餌として花粉や花蜜を求めるハナアブは、あまり多くの花を回らないため、植物はハナアブの力を借りるよりも、自家受粉がし易い形態へと進化していきます。

この進化が世代を追うごとに顕著になることから、植物は、花粉媒介者が何者であるか、そしてその媒介者が有用か否かを判断し、その判断を次の世代に伝承していると考えられます。

◇【進化】植物は花粉媒介生物の種類に応じて異なった進化をするリンク
<Nature Japan>より
////////↓↓引用開始↓↓////////
植物の形質が花粉媒介生物種の違いによって急速に多様化することを明らかにした研究論文が、今週掲載される。マルハナバチやハナアブによる送粉をわずか11世代続けただけで、草丈、花の香り、花の色、繁殖における花粉媒介生物への依存度に違いが生じていたのだ。今回の研究は、花粉媒介生物群集に変化があると、植物の形質の進化に対して急激な影響が及ぶことを示唆している。

花粉媒介生物に応じた植物の進化に関する過去の研究は、野外で行われており、花粉媒介生物以外の要因で植物の特徴に変化が生じる可能性があった。今回の研究では、花粉媒介生物それ自体が植物の進化に及ぼす影響を分離できる実験系が用いられた。

今回、Daniel GervasiとFlorian Schiestlは、温室内でBrassica rapa(アブラナやハクサイの原種)を栽培し、マルハナバチやハナアブによる送粉を行った。人工授粉した場合と比べると、マルハナバチにより送粉された場合は草丈が高くなり、香りの豊かな花が多くなり、紫外線反射率が高くなった。一方、ハナアブにより送粉された場合は草丈が低くなり、香りが弱くなった。

また、この実験が終わる頃には、マルハナバチにより送粉された植物は、送粉者のマルハナバチを多く引き寄せるようになった。一方、さほど有効な送粉者ではないハナアブにより送粉された植物は、自家受粉(花粉媒介生物の助けを借りずに結実する)をうまくできるようになった。以上の知見は、自然の生息環境における花粉媒介生物環境の変化が進化に及ぼす影響について研究を重ねる必要性を明確に示している、とGervasiとSchiestlは結論づけている。
////////↑↑引用終了↑↑////////



稲依小石丸 

腸内細菌が脳を育てる~脳と腸と腸内フローラの密接な関係

 脳と腸は双方向的に、情報伝達を行って、相互に影響を及ぼし合う関係にある。このような脳(中枢神経)と腸管の関係を「脳腸相関」と呼ぶ。ストレスなどが原因の過敏性腸症候群など、脳腸相関による疾患や症状は以前から知られていた。ところが近年、この脳腸相関の新たな要因として、腸内フローラ関わっていることが明らかになり、「脳-腸-微生物相関」という言葉も提唱されている。

 ヒトの大腸において、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成される短鎖脂肪酸も、中枢神経に影響を与える物質として注目されている。

 生成された短鎖脂肪酸の大部分は大腸粘膜組織から吸収され、上皮細胞の増殖や粘液の分泌、水やミネラルの吸収のためのエネルギー源として利用される。また、一部は血流に乗って全身に運ばれ、肝臓や筋肉、腎臓などの組織でエネルギー源や脂肪を合成する材料として利用される。
その他にも短鎖脂肪酸には、腸内を弱酸性の環境にすることで有害な菌の増殖を抑制する、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進する、ヒトの免疫反応を制御する、などさまざまな機能があることが知られている。

続きを読む

膜タンパク質「sorLA(ソーラー)」が、脳を破壊する「アミロイドβ蛋白(Aβ)」を除去

脳の神経細胞は他の細胞と同様に脂質でできた細胞膜で覆われているが、脳の仕組みや働きはまだまだ多くの謎に包まれている。

アルツハイマー病は、「アミロイドβ蛋白(Aβ)」と呼ばれるペプチドの線維状凝集体が脳内に蓄積することにより、その毒性によって神経細胞の死滅を引き起こすことによると、現在考えられている。
そのアミロイドβ(Aβ)を、「sorLA(ソーラー)」と呼ばれる脳内の膜タンパク質が除去する役割をもつと発表された。(※下記の転載記事)
sorLA(ソーラー)はニューロンに豊富に発現している受容体で、アミロイドβペプチドを細胞において直接に捕捉し,そのままリソソームに輸送することによりその分解を促進する。リンク

●アミロイドβ蛋白(Aβ)と人工物質の関係は?(324806)
●膜タンパク質「sorLA(ソーラー)」の構造は?リンク
●膜タンパク質「sorLA(ソーラー)」を活性化させるには?

リンクより転載
----------------------------------------------
タンパク質「sorLA」が脳内でAβを掃除してアルツハイマーを防ぐ - 阪大[2014/02/18]
続きを読む

ゴキブリはメス3匹で単為生殖を促進、北大研究チームが発表

生命力の高い生物として有名なゴキブリ。
その原動力として繁殖力がある。
なんと、メスだけの単為生殖が可能とのこと。

以下「リセマム」リンクより引用
------------------------------------------------------------------
ゴキブリが単為生殖するための卵鞘形成促進には、他個体の出す化学物質や、機械的接触を触覚などの感覚器で受容することが重要であることが、北海道大学の生命科学院博士課程2年の加藤巧氏らの研究チームによる研究で明らかになった。

ゴキブリの単為生殖を促進する要因に関する研究は、北海道大学の生命科学院博士課程2年の加藤巧氏、電子科学研究学術研究員の岩崎正純博士(「崎」は立の崎)、低温科学研究所の落合正則准教授、理学研究院の水波誠教授、電子科学研究所の西野浩史助教らの研究チームが行っている。

通常、動物は雌雄が交尾することによる有性生殖を行うが、オスのいない環境ではメスだけで遺伝的に似た子どもを産む場合がある。これは「単為生殖」と呼ばれ、節足動物や魚類、両生類、は虫類など、動物界に広くみられるという。ゴキブリは、オスがいるときは有性生殖、メスだけのときには単為生殖に切り替える「条件的単為生殖」を行う動物であるが、単為生殖を促進するメカニズムについては研究が進んでいなかった。
続きを読む

生物は共生し取り込みながら進化する

『人間には祖先から伝えられたものとは異なる、”外来”遺伝子が組み込まれている事が判明(英研究)リンク』より引用します。

人間のDNAの一部は我々の祖先に由来しないことが判明した。”外来”遺伝子が組み込まれているというのだ。科学者によれば、我々は太古の時代から共生してきた微生物の”外来”遺伝子を獲得してきたそうだ。この発見は、動物の進化が先祖から受け継がれる遺伝子のみに依存するという従来の見方を一変させる可能性があり、進化のプロセスは依然として継続中であることを示唆している。

『ゲノム・バイオロジー』誌に掲載された本研究は、同じ環境中で生息する生物間で起きる遺伝子の水平伝播に焦点を当てたものだ。

「これは動物同士で起きる遺伝子の水平伝播が広範囲に及ぶことを示した初の研究です。この中には人間も含まれており、数十か数百もの活性”外来”遺伝子が生じています。驚くべきことに、稀という表現とは程遠く、おそらくほぼ全ての動物の進化に現在進行形で影響を与えているでしょう。つまり、進化の見方を再検討する必要があるということです」と、研究チームのリーダーである英ケンブリッジ大学のアラステア・クリスプ氏は説明する。
続きを読む
ギャラリー