2017年09月

「癌は細胞の先祖返り」新説は癌治療の常識を変えるか(1/2)

yahooニュース リンク より、以下転載
---------------------------------
「癌は細胞の先祖返り」新説は癌治療の常識を変えるか

<ニューズウィーク日本版2017年8月8日号は「癌治療レボリューション」特集。癌研究・ケアの現場で新たな道を切り開く「革命家」たちに迫った。本記事は、特集の1記事「宇宙研究者が挑む癌のミステリー」を一部抜粋・転載したもの>
既存の癌研究の問題は明らかだと、宇宙の起源や地球外生命体についての研究で有名なアリゾナ州立大学(ASU)のポール・デービーズ教授は思っている。「金を費やせば問題を解決できると思い込んでいる」、つまりカネはつぎ込まれているが、知恵が足りておらず、その結果として癌は多くの謎に包まれた病気であり続けているというのだ。

図解:「先祖返り」を示す4つの特徴

理論物理学者のデービーズは、癌研究では「よそ者」だが、従来の考え方より優れたアプローチを見いだしたと主張している。「知恵を使えば、問題を解決できると思う」

デービーズは数年をかけて、癌のメカニズムに関して大胆な仮説に到達した。癌は、複雑な生命体が登場する以前へと進化のプロセスを逆戻りする現象なのではないかというものだ。この仮説によれば、癌になった細胞は、10億年前の地球に多く見られた単細胞生物のような状態に「先祖返り」する。
続きを読む

「癌は細胞の先祖返り」新説は癌治療の常識を変えるか(2/2)

yahooニュース リンク より、以下転載 続き
---------------------------------
■癌と酸素の関係が示すもの

デービーズが着目したのは、癌が多細胞生物の間で一般的な病気だという点だった。多くの動物が癌にかかるということは、ヒトという種が地球上に誕生するずっと前からこの病気が存在した可能性が高い。

14年には、ドイツのキール大学のトーマス・ボッシュ教授(進化生物学者)率いる研究チームが、ヒドラの2つの種で癌を発見している。ヒドラは、単細胞生物から多細胞生物への進化を遂げた初期の生物の1つだ。「癌は、地球上に多細胞生物が誕生したときから存在していた」と、ボッシュは当時述べている。

癌が進化上の退行現象であることを示す証拠は、多くの動物が癌になるという点だけではない。デービーズによれば、癌には単細胞生物と似た面がある。哺乳類の細胞と違い、細胞死がプログラムされていない点はその1つだ。

それに、癌細胞は酸素が極めて乏しい環境でも生きられる。デービーズと、オーストラリアのチャールズ・ラインウィーバー(宇宙生物学)、ASUのキンバリー・バシー(生物情報学)らでつくる研究チームはそれを理由に、癌が地球上に誕生したのは10億~15億年前だったと考えている。大気中の酸素の量が極度に少なかった時代だ。

続きを読む
ギャラリー