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【8】初期細胞新生説時代
①ウオルフの細胞新生説
17世紀にフックが細胞を発見した当時には、まだ細胞の起源について誰も知る人間はいませんでした。細胞形成に関し最初に考えを述べたのはウオルフ氏体の発見者として有名なウオルフだと云われています。彼は1759年にその著で『凡ての器官は最初、透明、粘着性、無構造の液体であるがその内部に空胞が現れ、それが栄養物質を堆積して成長し、遂に細胞となる』と述べています。
このような現象は千島喜久男の観察、即ち赤芽球から出芽様形態で無核赤血球が形成される過程とよく似ています。彼は細胞を独立実体であるとは考えず、細胞の形成は生活物質に含まれる形成力による受動的な結果だと考えました。ウオルフの細胞説の主要点は▼細胞は偶発的に発生する▼均質的な生活物質中に分化によって各種の部分が体制化される▼この体制化(有機的組織化)に際して細胞は能動的であるより受動的である、という3点に要約されています。このウオルフの説は1801年にマーベルによっても支持されています。
②スペンガルとキースの細胞新生説
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